2018年04月30日

冬虫夏草

『冬虫夏草』
著:梨木香歩(新潮文庫)

亡き友の家を守る物書き、綿貫征四郎。姿を消した忠犬ゴローを探すため、鈴鹿の山中へ旅に出た彼は、道道で印象深い邂逅を経験する。河童の少年。秋の花実。異郷から来た老女。天狗。お産で命を落とした若妻。荘厳な滝。赤竜の化身。宿を営むイワナの夫婦。人間と精たちとがともに暮らす清澄な山で、果たして再びゴローに会えるのか。『家守綺譚』の主人公による、ささやかで豊饒な冒険譚。
「BOOK」データベースより


『家守綺譚』の続編。
今回は高堂の家を離れ、ゴローを探しに。
ファンタジックなロードムービーのような内容でした。

全体的に靄に包まれたような柔らかで優しく、どことなく切ない雰囲気は相変わらず。
そしてほんの少しの不気味さも。

河童が可愛らしくも切なかったです。
イワナの宿屋も、どことなく不気味さがありつつ、でも何となく可笑しみもあって。
特に大きな起伏のあるストーリーではなく、むしろ淡々と進むのですが、その独特な雰囲気が癖になり引き込まれます。

ただ気になるのは高堂の存在。
今後どうなってしまうんでしょう。
このまま、というのも遣る瀬無い気がします。
けれどハッキリとした結末を明示するのも、このシリーズではちょっと違うかな、という気もしたり。
でもちゃんと完結もして欲しい……うーん、難しい。

ラストのゴローとの再会はとてもホッとし、安心感がありました。
戻ってきて本当に良かった。

もっとずっと読んでいたい、そう思える作品でした。

それにしても……感想書かずに放置しているのがまだ何冊もあるのですが、そろそろ記憶が怪しくなりそうです……(焦)
posted by ミクロン at 01:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月25日

シャーロック・ホームズ対伊藤博文

『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』
著:松岡圭祐(講談社文庫)

シャーロック・ホームズが現実の歴史に溶けこんだ。いかに彼は目撃者のいないライヘンバッハの滝の死闘で、モリアーティ教授への正当防衛を立証し、社会復帰しえたのか。日本で実際に起きた大津事件の謎に挑み、伊藤博文と逢着する。聖典のあらゆる矛盾が解消され論証される、20世紀以来最高のホームズ物語。
「BOOK」データベースより


懲りずにホームズ・パスティーシュです。
パスティーシュでお馴染みの空白期間モノ。
読了は昨年なので、ちょっと記憶が朧げになりつつありますが……(汗)

『絹の家』は雰囲気がとっても正典に近く感じましたが、こちらは事件が正典っぽい印象です。

今回は日本が舞台。
T・リカーディの『東洋の冒険』も、タイトルそのままに東洋が舞台でしたが、こちらは日本のみ。
国家間の思惑が交錯する中、ワトスン君の代わりに伊藤博文を従えて、いざこざが顕在化すること無く解決、といった所。
ちょっと大仰すぎる事件な気もしましたが、上手く歴史に絡めてあったので良かったのではないでしょうか。
ただ、全体的にちょっと日本及び日本人を美化(礼賛?)し過ぎに感じて、どうにも白けてしまったりもしました。

ホームズがどうも情緒的に過ぎるような感も。
勝手の違う異国で一人きりだからそうなってしまった……と受け取れなくもないですが、。
マイクロフトとの関係もどうもしっくり来ませんでした。
人間味が強くて決して悪くはないんですけれども、ホームズとしては若干の違和感が拭えませんでした。

でも最後のワトスン君との再会は良かったです。
『三人ガリデブ』っぽくてじんわりと感動的。
そしてワトスン君の“バリツ”の執筆風景は笑いました。
正典の矛盾等はワトスン君の責任とする事も多いですが、今回も……(笑)

余談ですが、モリアーティ教授の兄弟(大佐の方)って、てっきり兄だったと記憶していたのですが、実際はどちらとも明言されていないんですね!
これは知りませんでした……。
ずっと兄だと思い込んでいて疑いもしなかったもので、勉強になりました。

全体的には気軽に読めて楽しかったです♪
posted by ミクロン at 23:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月19日

空海−KU-KAI− 美しき王妃の謎

結構前になってしまいましたが、観て来ました。
中国の映画って風景や色彩が非常に美しくて好きなのです。
今作も内容はともかく、その美しさと猫を大画面で、と思いまして(笑)
原作は読んでいないので、完全に映画のみの感想です。
ではサラッと。

まずはネガティブ感想から(爆)
何だかちょっとばかり詰め込み感が。原作は4巻まであるようなので、そのせいでしょう。
その割にテンポが悪く冗長で、実際の上映時間よりも大分長く感じました。
邦題より原題の方が作品をよく表していると思います。
原題は『妖猫伝』。可愛い。

ここからポジティブ感想です。
映像は期待通りの美しさでした!
鮮やかさと陰鬱さ、どちらも見事に両立されていて、ハリウッド映画と邦画を足して割ったようなバランスの良さ。色彩感覚の素晴らしさを感じます。うっとり。
中国映画はその風景も見事で好きです。山でも建物でも独特の雰囲気があって。
そういった点では観ているだけで楽しかったです。
今作は何故か吹替版のみの上映だったのですが、楊貴妃の吹替(=吉田羊)はとっても良かったです。落ち着きがあって、しっとりとした良い声でした。

本当にサラッとですが……まずまず楽しめました。
前後編にしたらもっと良かったのかも……、と思いました。
タグ:日中合作
posted by ミクロン at 01:00 | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月15日

namie amuro Final Tour 2018 〜Finally〜

まだまだゼノロス真っ最中の4月14日、札幌ドーム公演へ行って来ました!!
私の人生最後の(だと思われる)安室ちゃんのライブ……。
ドキドキワクワクと淋しさの入り混じる参戦でした。

入場時に身分証が必要です、と言われていましたが、これまでどのライブでも一度たりとも確認された事が無く、今回もどうせランダム確認だろうと思っていたら、2回もチェックされてビックリしました。ちゃんと持参していて良かった(笑)

以下ネタバレ全開ですのでご注意下さいませ!

前回の参戦は6年前の20周年の時。
あれから5年も経っただなんてちっとも感じさせない安室ちゃんはやっぱり最高でした。
同じ人類とは信じられない位に綺麗で可愛くって、とにかく素敵(*^-^*)
“美しい”と“可愛い”ってあまり両立しないものだと思うのですが、そりゃもう見事に併せ持っておられます。
もう見ているだけで幸せ(*´∀`*)

全体的にセットも映像も凝っていて、完成度の高い構成でした。
MCが無い事でも有名ですが、MCが無い事で出来るクオリティだな、と改めて感心しました。

そしてセットリストがやっぱり豪華……!!
“Baby Don't Cry”も聴けましたし“Say the word”も♪
まぁ、好きな曲が多すぎるのでほとんど好きな曲でしたが(笑)
アンコールでの“Hope”は『ワンピース』の映像付!
しかも麦わらの一味全員からコメントまで……!!
ワンピ版の安室ちゃんも可愛らしかったです。
そして“a walk in the park”の演出は最高でした。
左(下手)のスクリーンは2012年のライブ映像、右(上手)には97年のライブ映像、そして正面のスクリーンは今日の安室ちゃんが!!
97年の映像に合わせて、ひっつめの髪型にも関わらず髪ををかきあげる仕草をしてくれて、それがとってもキュートで(〃゚д゚〃)
“Finally”歌唱中にほんの少し泣いておられたのには、ついついもらい泣きしてしまいました。
贅沢な我儘ですが、惜しむらくは“I HAVE NEVER SEEN”と“Dreaming I was dreaming”がとうとう聴けなかった事です……。
いつか……と思っていただけに、その「いつか」が叶わなくなってしまった今、非常に遺憾です……うぅ(;_;)

最後の最後、安室ちゃんがステージに一人残り、ご挨拶がありました。
挨拶中、ちょっぴり涙されて、またももらい泣き。
私が安室ちゃんのライブを観られるのは、本当にこれが最後なんだなって。
そして安室ちゃんがこうしてライブをするのも今年で最後なんだなって。
とうとう実感してしまったと言うか。

とにかく最高に楽しく、そしてあっという間の一時でした。
この公演に来られた事は勿論ですが、何よりも、ほぼリアルタイムで安室ちゃんを見たり聴いたり出来た事、同じ時代に生きていられた事を心底幸せに思います!
―――――
1.Hero
2.Break It
3.Say the word
4.Love Story
5.SWEET 19 BLUES
6.TRY ME 〜私を信じて〜
7.太陽のSEASON
8.You're my sunshine
9.Get Myself Back
10.a walk in the park
11.Don't wanna cry
12.NEVER END
13.CAN YOU CELEBRATE?
14.Body Feels EXIT
15.Chase the Chance
16.Fighter
17.In Two
18.Do It For Love
〈Encore〉
19.Hope
20.Finally
21.How do you feel now?
―――――
■セットリスト追加(2018.4.21)
posted by ミクロン at 04:00 | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月08日

Xenogears 20th Anniversary Concert -The Beginning and the End-

行ってきました、ゼノギアスコンサート、4月7日14:00公演!
昼公演は日帰りが出来るので、田舎在住者には本当に有り難いです。

さて。
会場は夢と魔法の国隣接の舞浜アンフィシアター。
中に入るのは『ZED』以来です。
この会場、辿り着くまでに夢と魔法の誘惑が多すぎて、駅改札からは一目散に、競歩の如く向かいました(笑)
20180407_Xenogears01.jpg
35周年は秋に堪能予定なので今回は泣く泣くお預け(T_T)

物販ではお目当てがパンフ以外に無かったので、のんびりと12:30頃に会場到着。
物販列はさほど長くはなかったのですが、当日、物凄い強風で、列整理の柵が倒れたりチラシが飛ばされていたりと、なかなか退屈しない並び時間でした。
パンフ購入後、開場時間丁度位に入場列へ並んだのですが、こちらが凄い長蛇の列で。入場するのに30分位かかりました(^^;)

オルゴールをGetして入場すると、田中久仁彦氏の原画や落書きの展示が沢山あり、そこここで黒山の人だかり。
一部は撮影しましたが、すぐにネットに上がるだろうと写真は他の人に任せて(笑)見るだけ見て座席に。
20180407_Xenogears02.jpg
ポスター裏に描かれていました。可愛い(*^^*)
20180407_Xenogears03.jpg
お花(一部)。そういえば今回、加藤正人氏のお名前が全く出て来ませんでしたが……どうしたんでしょう。

この会場は本当に見やすくって素敵です。
座席の前後の間隔が広めなのが楽ちんです。

そわそわしつつ、いよいよ開演。

一曲目はOP映像とともに。
映像も流れるとは思っていなかったので、嬉しい驚きでした。

曲の良さ云々を言うのは非常に今更なので割愛しますが、今回のアレンジも本当に素敵でした。
原曲のイメージや良さはそのままに、そこから一層強く感情を揺さぶるような激しさや繊細さが加わって、なのにちゃんと新鮮味もあって。
アレンジとはかくあるべき、と言った印象でした。
例の『聖剣2SOM』の後だから余計にそう感じたのかもしれませんね……(爆)

生で聴くANÚNAは正に教会のイメージ。宗教音楽という言葉がピッタリ。
歌声が場の静謐さを深めて、信仰を持たない私でさえ敬虔な気持ちにさせられるような幽玄さ。
とにかく雰囲気が凄くて、昔行ったミラノのドゥオモに入った時の、圧倒的な厳かさをまざまざと思い出しました。
灯りを持って客席から登場する演出は、正に会場全体が歌声にすっぽり包み込まれて、どこか別の場所にいるような感覚になったり。
ANÚNAはとにかく演出が凝っていました。
奈落を使ったり、ステンドグラスを表現したようなライティングも非常に効果的で素敵でした。
ぐるりと輪になって内側へ向かって歌うのと、外側に向かって歌うのとでの、音の広がりは勿論、目指す表現の違いまで素人耳でもハッキリと感じられました。たったそれでけの違いでもあれほどに訴えてくるものが違うのか、と。
なるほど、会場に拘った訳がよ〜く分かりました。
これほど世界観にどっぷり浸れるコンサートは初めてでした。
ああ、あの素晴らしさを上手く表現出来ないのがもどかしい……!

そして生ジョアンヌ・ホッグ!!
こうして生で聴ける日が来るとは……と感無量。
サビをややアレンジされていましたが、ほとんど変わらぬ歌声にウットリ。

一曲ごとに書くとアレコレとキリが無いので一曲だけ。
“飛翔”では堪え切れず落涙。
ゲームプレイ時、この曲にはチュチュの印象が強く残っていて、私の中ではすっかりチュチュのテーマになっていたのです(爆)
だって曲の最初の方はどこかコミカルですし……てっきりチュチュ用なんだとばっかり……。
なので他のシリアスなシーンで流れると、どうにも違和感が付きまとってしまって。とっても好きな曲なんですけれど、このイメージばかりは如何ともし難く(笑)
でも実際に聴くと生音の凄さ故でしょうか、非常にグッときましたねぇ。
マリアのイベント映像付きなのも駄目押しでした。
これでチュチュのイメージは払拭される……と、いいなぁ(笑)

今回のコンサートで一番印象的だったのは、演奏者の方々が演奏されていてとても楽しそうだった事。
何だかんだ言っても、演奏してる人達が楽しそうだったり、気持ちよさそうに演奏されているのが、聴衆側としても一番楽しく嬉しいものですよね。伝わってくるものも違いますし。
本当にこの作品は愛されているんだな、と思いました。

一番最後、アンコールのその後。
ピンスポットライトの下にオルゴールを置いて去る光田氏。
オルゴールの曲は“遠い約束”。
あの締め括りは本当に素敵でした。
ハッピーエンドで幸せだけれども、何故か物悲しくて別れがたいような。
ソラリスシートの特典のオルゴールの曲も“遠い約束”でした。
この曲名通り、またいつか、何年先でも、コンサートを開催して頂きたいです。

本当に素晴らしい一時で、感謝してもしきれません。
あの空間のあの雰囲気は生涯忘れられないと思います。
……そして……過分な望みと十二分に自覚しておりますが……来年は『クロノ・クロス』20周年なのです……。
どうか……どうかぁぁ!!!

最後にセットリストです。
アンコール曲目、間違ってるかもしれません。ちょっと記憶に自信が……。
―――――
1.冥き黎明
2.海と炎の絆
3.おらが村は世界一
4.風のうまれる谷〜遠い約束(Piano)
5.鋼の巨人
6.夢の卵の孵るところ
7.グラーフ 闇の覇者〜導火線
8.つわのものどもが夢のあと〜死の舞踏
9.SMALL TWO OF PIECES(Piano Ver.)
10.盗めない宝石
11.傷もてるわれら 光のなかを進まん
12.やさしい風がうたう
13.lost…きしんだ かけら
14.悔恨と安らぎの檻にて
15.紅蓮の騎士
16.神無月の人魚
17.風が呼ぶ、蒼穹のシェバト
18.飛翔〜翼
19.予感
20.覚醒〜神に牙むくもの
21.最先と最後
22.SMALL TWO OF PIECES〜軋んだ破片〜

〈Encore〉
23.STARS OF TEARS〜優しく星ぞ降りしきる〜
24.BALTO & LAHAN(CREID Special Ver.)
25.遠い約束
―――――

■追記と訂正(2018.4.14)
まずはセットリストが公式で発表されたので訂正しました。
そしてほんの少しだけ追記。
その後、パンフレットや光田氏の日記などを拝見し、この作品は本当に愛されているんだなって思いました。
なかなか無いと思うんです、こんなにも作品の世界観を大切にして、さらにそれをそのまま再現しようとしてくれるなんて。しかも、20年も経って。
ゼノギアスのファンは本当に幸せです。
私はまだまだライトなファンですが、当時からのファンの方々がとっても羨ましく感じました。
昨今、ゲームに限らず往年の作品のリメイクや続編などが多いですが、これ位の愛で企画して頂けたらなって痛切に思いました。FF7とか……!!
posted by ミクロン at 17:00 | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする