2020年09月14日

土曜日は灰色の馬

『土曜日は灰色の馬』
著:恩田陸(ちくま文庫)

恩田陸が眺める世界。小説、漫画、映画に音楽、舞台まで…少女時代からありとあらゆるエンターテインメントを堪能し、物語を愛し続ける作家の眼にはどんな世界が映っているのか?その耳では、どんな響きを感じているのか?どんな言葉で語るのか?軽やかな筆致で想像力の海原を縦横無尽に楽しみ尽くす、とびきり贅沢なエッセイ集。
「BOOK」データベースより

もうメチャクチャ面白かったです(*^-^*)
最初、病院の待ち時間に読み始めたのですが、あまりに面白いので大事に少しずつ読みました。
ブラッドベリの『塵よりよみがえり』も、これに解説が載っていたから存在を知ることができました。

もう出てくる作品全てがとても魅力的に思えてしまって、読みたい本リストが一気に膨れ上がりました。
特に惹かれたのはジャック・フィニイ。
多分、何かのアンソロに収録されていた『台詞指導』しか読んでいないので、もうメチャクチャ読みたくなりました。
が、早速調べたところ、ほとんどが絶版なのには愕然……。こんなにも有名な作家なのに……!!
是非とも再版して頂きたいものです……(T-T)

あと三島由紀夫。
読まず嫌い(!)の作家の一人で、教科書に載ってた作品以外は読んだ事がありませんでした。
でも『春の雪』はとっても読んでみたくなりました!
こちらは現在に至るまで出版されているので非常に入手容易で有難い限り。

些末な事ですけれど、“「マイ・フェイバリット・シングス」は映画『メリー・ポピンズ』の中の一曲”、と書かれていましたが、正しくは『サウンド・オブ・ミュージック』なのではと……。『EPITAPH東京』では正しく書かれていたので、どうしたのかな(^^;)

小説に限らず漫画も映画も音楽も、どれもとっても面白く魅力的に書かれていて、視野の広さと懐の深さが凄いですし羨ましい限り。そして何よりも、それぞれの作品に対する愛が端々に感じらました。それにつられて私もムクムクと読書欲が湧いてきたので、まずは三島由紀夫から読んでみようと思っています♪
posted by ミクロン at 21:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月08日

シチリアを征服したクマ王国の物語

『シチリアを征服したクマ王国の物語』
著:ディーノ・ブッツァーティ/訳:天沢退二郎・増山暁子(福音館文庫)

とおいむかし、厳しい冬の飢えと寒さにたまりかねたクマたちは、すみかの暗い洞穴から出て、山をおりることにした。行く手に待ち受けるのは、残忍な大公に、ばけ猫、人食い鬼。ゆうれいもいれば、魔法使いもいる。さてはてクマたちの運命やいかに。おもしろく、やがて悲しい、クマ王国の物語。小学校中級以上。
「BOOK」データベースより

ブッツァーティは国語の教科書に載っていた『急行列車』で好きになり、何作か読んでいました。
が、こんな作品があるなんて全く知らなかったです……!!
クマ好きとしては、このタイトルで即買いです!(笑)

とにかく挿絵が可愛らしく、設定や語り口からも、ほのぼのしたお話なのかと思いきや、結末はかなりシビアで現実的。
子供の頃に読んだらきっと長く印象に残ったろうな、と思います。
あまり本を読まない子供だったので(今もあまり読まないですが)色々と勿体ないことをしたな、と時々思わずにいられません。
『小公子』といい……勿体ない!

こんな作品も書いていたのかと、意外性たっぷりの作品でした。
posted by ミクロン at 22:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月30日

塵よりよみがえり

『塵よりよみがえり』
著:レイ・ブラッドベリ/訳:中村融(河出文庫)

小高い丘に建つ一軒の屋敷。住む者は、ミイラのおばあちゃん、心を自由に飛ばす魔女セシー、鏡に映らない夫婦、たったひとりの人間の子ティモシー。いまここで、魔力をもつ一族の集会がはじまる。そして、何かが変わる日もまた近い……ファンタジーの巨匠が五十五年の歳月をかけて完成させた、とても特別な物語。
「BOOK」データベースより

新刊ではないのですが、恩田陸の『土曜日は灰色の馬』(まだ読みかけです……)で存在を知って、購入。
それまで『集会』と『アンクル・エナー』しか読んだことがありませんでしたし、この二作以外の存在を知らなかったので、一冊になるほどのシリーズだったと知って驚きました。

とっても美しい作品でした!
薄暗く埃っぽい雰囲気に、何となく息をひそめて読みました(笑)

ユーモアに満ちていて、どの作品もそれだけでしっかり独立していて読み応えもたっぷり。
最後もとっても素敵でした。
非常に現実的で合理的だけれど、ちょっと可笑しくて、物凄く優しい。
夢から覚めても、まだ続いているような。
読んでる最中も読み終えた後も、うっとりしてしまいました。

萩尾望都の描いた『集会』のイメージがとても好きなので、シリーズまとめて漫画化して頂きたいなぁ、なんて思ったり。
これを機にブラッドベリをもっと読んでみようかなと思いました。
posted by ミクロン at 08:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月09日

小公子

『小公子』
著:フランシス・ホジソン・バーネット/訳:川端康成(新潮文庫)

アメリカに生まれた少年・セドリックは、大好きな母や周囲の人々の細やかな愛情に包まれ幸せに暮らしていたが、名も知らぬ貴族の祖父の跡継ぎになるためイギリスへ渡ることとなった。祖父は意地悪で傲慢で、アメリカという国を嫌っていたが、セドリックの純真さに心動かされ、次第に変化していく。だがそこへ真の跡取りを名乗る者が現れて――。川端康成の名訳でよみがえる児童文学の傑作。
「BOOK」データベースより

山田章博氏のイラストと小野不由美主上の帯に惹かれて購入(爆)
これだけ有名な作品にも関わらず、恥ずかしながら未読でした……。世界名作劇場版ですら見ていないです……。
ちなみに『小公女』も未読です……。

さて、私はすっかり大人になってしまいましたが……本当に、どうして子供の頃に読まなかったのか非常に悔やまれる作品でした。
とても優しい物語。
読後、久しぶりに心が優しさで満たされました。
児童文学とはかくあるべしと言ってもいいような、お手本のよう。
大人になってから読んでも充分面白かったですし、むしろささくれ立った心にはとっても沁みました(^^;)

セドリックの聡明さと天真爛漫さがひたすら眩しくて微笑ましい。
なるほど確かに泰麒だな、とも(笑)
登場人物がほぼ全員いい人なのもホッとします。
とりわけ好きなのはホップス氏。最後の変わりっぷりが可笑しくて大好き。

ちょっぴり気になったのは、外見至上主義な雰囲気だった事くらいでしょうか。
書かれた時代が違うので、現代の価値観とのズレを感じた次第です。
やはり昔から“お姫様は当然美人”と言ったような、憧れや理想は変わらないものなんですね。

同じバーネットの『秘密の花園』も優しいお話でしたが、バーネット作品って全部そうなのかな。
これは近々『小公女』も読まなくては、と思いました!
posted by ミクロン at 19:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月19日

天下四国シリーズ 全4冊合本版

天下四国シリーズ 全4冊合本版(『天空の翼 地上の星』・『砂の城 風の姫』・『月の都 海の果て』・『雪の王 光の剣』)
著:中村ふみ(講談社X文庫)

【天空の翼 地上の星】
天下四国―この世は、峻険たる山々に囲まれた四つの国に分かれていた。南の王国「徐」の王太子・寿白は、革命の混乱のさなかに王の証「王玉」を得たが、徐国は倒れ、寿白も体内に王玉を留めたまま姿を消す。それから十年。かつて輝くほど聡明な少年王だった男は、飛牙と名乗るすれっからしに成り果てていた。天令の那兪は、飛牙の胸に眠る王玉を天へ返すよう迫るが……。極上の中華風ファンタジー、開幕!

【砂の城 風の姫】
天下四国―それは、天から授かりし四つの国。かつては徐国の王様だったが、今やすっかり風来坊の飛牙は、天令の那兪を連れ、代々女王が治める燕国へ。そこで偶然、家出中の名跡姫・甜湘と知り合い、なりゆきで飛牙は「胤」候補にされてしまう。胤とは未来の女王たる甜湘に、子を産ませるための制度上の夫のこと。しかも飛牙の前にいたという胤ふたりは、すでに不審死を遂げているらしく……。胸躍るシリーズ第二弾!

【月の都 海の果て】
天下四国は、天が王を定める東西南北の四つの国。南に位置する「徐」の元王様・飛牙は、天に帰れなくなった天令の那兪を連れて東の国「越」へ。正王后の立場にある自らの大叔母を頼っての入国だったが、現在の王家は瀕死の王のもと、同い年の王子二人が王位争いの真っ最中で、飛牙はまんまと巻き込まれてしまう。さらに折悪しく「屍蛾」と呼ばれる暗魅の大発生が重なり、越は未曾有の危機を迎えていた……。シリーズ第三弾!

【雪の王 光の剣】
天下四国は、天が王を定める東西南北の四つの国。元は南方徐国の王だった放浪者の飛牙は、最北の駕国へ足を踏み入れた。ところが鎖国を貫く駕では宰相の汀柳簡が権勢を振るっており、国王は傀儡と化し、国の守り手の天令・思思は枷で繋がれ監禁されていた。飛牙の相棒で落ちこぼれの天令・那兪は、同砲を救うために王城へ忍び込む。一方、宰相に目をつけられた飛牙も政変に巻き込まれ……。シリーズ第四弾!

「BOOK」データベースより

以前、Amazonで“小野不由美”と検索した際に検索結果にこの作品が出てきまして。
紹介文にはさほど惹かれなかったのですが、レビュー欄で、設定が十二国記に似ている云々とあり、ずっと気になっていました。
すると先般、電子書籍の合本版が40%オフのキャンペーンがあったので、思い切って購入してみました!
以下、4冊まとめての感想です。
ちょっと酷い感想ですので、作品がお好きな方はご注意下さいませ。

確かに設定は酷似していました。
これは同じ講談社なのにどうなのかなと思いましたが、今、十二国記は新潮社へ移ったからかな、なんて邪推してみたり。

しかし設定こそアレでしたが、中身は全くの別物でした。
いわゆる貴種流離譚で、シンプルな勧善懲悪モノ。
少女漫画にしたらとてもピッタリなのでは、と思いました。

ただ私とは相性が悪かったです。久しぶりに読むのがしんどい作品でした。
先が見えてしまうストーリーに淡白な描写、記号的な登場人物達とで、残念ながら魅力を感じられませんでした。

特に地文が非常に簡素で、小説と言うよりは台本のように感じました。
ライトノベルに偏見は持っていないとは思うのですが、いかにもラノベといった感じの作品は非常に苦手でして……。
過去、『魔術師オーフェン』シリーズに挫折した経験があります。
アニメ(古い方)が大好きで買った『我が呼び声に応えよ獣』はどうにか読みましたが……続編に手を出すことはありませんでした……。
友人に勧められたあかほりさとる作品(タイトル失念しました)も全然ダメでした。
大人になったからと言って、好みや得手不得手は変わらないようですね……。

それでも甜湘や瑞英、清墨は好きです。
特に甜湘は可愛らしくって、もう少し後の作品にも登場して欲しかったな〜。

と、すっかりこれで完結と思っていましたが、さっき確認したところ、完結編が来月発売との事。
どうしよう、ここまで読んだら最後の一冊は読んでおきたいような……うーん、悩みます……。
posted by ミクロン at 22:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする