2020年06月29日

炎龍の宝玉

『炎龍の宝玉』
著:鈴森琴(創元推理文庫)

死者を蘇らせる術で発展した亀珈王国。儒艮が塾 を開くために買ったのは札付きの幽霊屋敷で、引っ越し早々怪奇現象が起きていた。そんな折、瀕死の炎龍が飛来し、王都は大混乱に。王国にとって炎龍は至高の存在。急邀、龍語を解する界人の儒艮が通訳に指名される。彼は大切な家族となった金魚小僧のため、ある目的を胸に、引き受けるが…。“忘却城”シリーズ第三巻。
「BOOK」データベースより

早くも第3巻。
今回は前2作よりも不気味さはやや控えめで、幕間なお話のような感じもしました。
儒艮と金魚小僧のその後が描かれていて嬉しかったです。

比和院は最高ですね!
是非とも幽冥塾に通いたいです!
何よりご飯が勝手に用意されているって……素晴らしいじゃないですか!!!
もう住みたいです。大熊猫もいますし(笑)
しかしそんなほのぼの(?)な日常でも、その後ろには真っ暗闇が常に控えており、その落差がなんとも素敵でした。

ついに忘却城の一端が垣間見えましたが……最高でした!
得体の知れない不気味さ。
もっと暗くおどろおどろしい地かと思っていましたが、意外にも明るく美しい佇まいで、余計に不気味さが際立ちました。
もっともっとあちこち探索して欲しかったと思わずにはいられません(笑)
しかし彼の城にいた飛雪殿下は本当に不憫です。
せめていつか、舞蒐のためにも、彼の本当の名前が判ることを願っています。

嬉嬉狐(静水の間諜の方)も風嵐影も紫雲英もとっても魅力的でした。
ヘウラ氏も元気そうで何より。
雪晶と嬉嬉狐の姫は不気味というより悲しかったです。
もう少し永らえていたら、金魚小僧と再会出来たのに……とか。

次作は金魚小僧が育児をしつつ緑鉄洞を目指すのかな。それとも王図の頭探し??
金魚小僧の成長譚も面白そうですし勿論読みたいですが、やっぱり不気味系になる事を期待しています(笑)
二十四大鬼とか、夢無鵡予言院とか、まだまだ気になるものがいっぱいです!
posted by ミクロン at 01:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月21日

自生の夢

自生の夢
著:飛浩隆(河出文庫)

天才詩人アリス・ウォンが謎の存在“忌字禍”に倒れた。その怪物を滅ぼすために、七十三人を言葉の力で殺害した稀代の殺人者が、いま召還される―星雲賞を受賞した表題作、同賞受賞の「海の指」他、全七編。最先端の想像力、五感に触れる官能性、現代SFが生んだ最高峰作品集。第38回日本SF大賞受賞。
「BOOK」データベースより

裏表紙の表題作の紹介に惹かれて購入。
この作者の作品は初めて読みました。
非常にインパクトがあって印象的な短編集でしたが、私にはやや難しかったような気も。
ちゃんと理解出来た気がしません(;゚д゚)
そんな程度の理解力の元、いくつか印象に残った作品をほんの少しだけ。

『海の指』
これはとっても面白かったです。映像で観てみたいと思った作品でした。
様々な時代・文化の建築物の融合した街並みに灰洋の不気味さ、そして〈海の指〉。
霧から様々な物を取り出せる、と言うのもどこか不気味でワクワクしました。
同じ舞台でもう何作か短編を読んでみたいです。

『星窓 remixed version』
いかにもSFな雰囲気で、どことなくR・ブラッドベリを彷彿とします。
この星窓がとっても素敵で、欲しくなりました。

『自生の夢』
この作品の紹介に、中島敦の『文字禍』を連想して面白そうだなって思って読んだのですが……残念ながらちょっと理解が及びませんでした(+_+)
一番大事な〈忌字禍〉を上手く想像できなくて。
面白いお話なのはぼんやり分かるのですが、どうもしっかり掴めない感じと言いますか。
もう少し時間をおいて、じっくり読み返してみたいと思います。

* * * * *

何時にも増して、とんでもなくしょうもない感想ばっかりで申し訳もございません……(゚д゚;)
posted by ミクロン at 22:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月18日

錆びた太陽

『錆びた太陽』
著:恩田陸(朝日文庫)

立入制限区域をパトロールするロボット「ウルトラエイト」の居住区に、国税庁から派遣されたという謎の女・財護徳子が現れる。だが彼らには、人間の訪問が知らされていなかった。戸惑いながらも、人間である徳子の命令に従うことにするのだが……。
「BOOK」データベースより

うーん、面白かったです。
『消滅 VANISHING POINT』にとてもよく似た雰囲気。
ストーリーや設定が面白い、と言うよりは、雰囲気と会話が抜群に面白い感じ。
様々なジャンルの要素が混ざり合っていて、まさに恩田作品と言ったところ。

小ネタも随所に沢山仕込まれているようです。
残念ながら私は、ロボット達の名前が某ドラマ由来だということさえ分かりませんでしたので(ネット上の感想を拝見して知りました……)きっと半分も気づかなったのではと思われます……。
posted by ミクロン at 02:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月31日

終わりなき夜に生れつく

『終わりなき夜に生れつく』
著:恩田陸(文春文庫)

索条痕のない窒息死体が連続で見つかった。この殺人事件に、あの男は関与しているのか。雑誌記者が、あとを追う。特殊能力を持つ者たちが覇権を争う「途鎖国」でやがて犯罪者の王として君臨する神山が、闇に目覚める瞬間を描く(表題作)。傑作ダーク・ファンタジー『夜の底は柔らかな幻』へと続く鮮烈な作品集。
「BOOK」データベースより

『夜の底は柔らかな幻』の前日譚にあたる短編集。
面白かったです!
読了後は思わず『夜の底は柔らかな幻』を読み返した程です。
ちょっと設定が変わったような印象も受けましたが気になるほどでもなく。

やっぱり軍勇司は良いキャラですね〜。ますます好きになりました。

葛城はちょっと……と言うか、かなり本編と印象が違いました。今作だととっても素敵でビックリ。
やっぱりイロの副作用で変調をきたしたのでしょうかね。とてもあれ程執着するようなタイプとは思えない。
あと、藤代有一との関係がイマイチぼんやりしたままだったのは残念。
本編でもさほど重要な関係とは思えませんでしたし、そもそも本編では藤代有一は名前しか出てなかったような……。
この辺りでもう一話あると嬉しいです。

本編では謎に包まれたままだった神山は、案外普通の印象……(爆)
でも得体の知れない感じは本編同様で、もうちょっと詳しく読みたいところでした。

いつか後日譚も書いて頂きたいところ……ギンナンのその後が気になって仕方ないのです、はい。
posted by ミクロン at 21:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月25日

とるとだす

『とるとだす』
著:畠中恵(新潮社文庫)

若だんなの父、藤兵衛が倒れた!長崎屋の大黒柱の危機に、妖たちも大慌て。一太郎は、父の命を救うため、薬種屋たちのいさかいに飛び込み、蜃気楼のなかに迷い込み、恐ろしい狂骨の怨念につきまとわれながら、ついには神が住む常世の国を目指すことになるのだが―。八面六臂の活躍を見せる若だんなは父を助けることができるのか!?不思議と怪奇に彩られた、スリル満点のシリーズ第16弾。
「BOOK」データベースより

毎年、年末年始に読むのが恒例になってきました(笑)
こちらもそろそろ見切りを付けようか悩んでいるシリーズですが、読むとそれなりに面白いので困ります。

今回印象に残ったのは『長崎屋の主が死んだ』。
久々に第一作目の『しゃばけ』を彷彿とする作品でした。
狂骨の不気味さがとっても良かったです。
『しゃばけ』以外、あまりホラー要素のある作品は少なかったので、久々にピリッとしていて新鮮味がありました。

シリーズとしては、徐々に進んではいる印象。
そう遠くない内に、『えどさがし』に繋がるお話が読みたいものです。
posted by ミクロン at 23:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする