2019年04月09日

謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』
著:恩田陸、はやみねかおる、高田崇史、綾崎隼、白井智之、井上真偽/文芸第三出版部・編(講談社タイガ)

「館」の謎は終わらない―。館に魅せられた作家たちが書き下ろす、色とりどりのミステリの未来!最先端を行く作家たちが紡ぎ出す6つの謎。
「BOOK」データベースより

久しぶりに恩田陸『三月は深き紅の淵を』を再読しましたら、止まらなくなり、そのまま『麦の海に沈む果実』、『黒と茶の幻想』、『黄昏の百合の骨』と立て続けに再読。
読後、水野理瀬シリーズの新作はまだ出ていないのかな〜、とAmazonで検索した結果、この本を発見した次第です。
まさか未読の短編があったとは。
短編でも嬉しい(*^v^*)
そんな訳で、感想はお目当ての『麦の海に浮かぶ檻』だけです(爆)
ネタバレ無しには語れませんので、ご注意&ご容赦を。

ウカウカと騙されました。
かつては校長も理瀬と同じ立場だったんですねぇ。
それらの競争を勝ち抜いたからこそ、あの全く隙のない完璧さを装えるのでしょう。
遂にお名前と女装の秘密が判明したのも非常に嬉しいです。
どうも恵弥を彷彿としますが。
あ、実は遠縁だったりして。
途方もない数の血縁者がいるようですし、有り得なくもない……ですよね。

そして、当時の校長。理瀬にとっての祖父。
彼は『麦の海に沈む果実』で登場していますが、かつては現校長にそっくりな感じだったんですね(正しくは現校長がそっくり、と言うべきなんでしょうけれど)。
学園の創設者たる彼の話も非常に読んでみたいです。彼が書いた赤い表紙の日記とか!
出来れば長編で!
やはり短編は物足りなーい!!(爆)

本編の続きも早く読みたいものです。
以前、連載中と何かで読んだ気がするのですが……まだ出ないのかなぁ。
首を長くして待っております!
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2019年03月02日

消滅 VANISHING POINT

消滅 VANISHING POINT(上・下)
著:恩田陸(幻冬舎文庫)

【上巻】
超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。時間だけが経過し焦燥する彼ら。大規模な通信障害で機器は使用不能。その中の一人の女が「当局はこの中にテロ首謀者がいると見ている。それを皆さんに見つけ出していただきたい」と言った。女は高性能AIを持つヒューマノイドだった。10人は恐怖に戦きながら推理を開始する。

【下巻】
北米からの帰国者に感染力の高い新型肺炎の疑いが生じる。連行は細菌兵器ゆえの隔離、ヒューマノイド対応だったのか。テロ集団はなぜ「破壊」でなく「消滅」という用語を使うのか。様々な憶測が渦巻くが依然、首謀者が誰か掴めない。やがて孤絶した空港に近づく高潮の危険。隔離された10人の忍耐と疲労が限界を超え「消滅」が近づいた時、爆発音が!
「BOOK」データベースより

いやはや、満足です。
これぞ恩田作品、な作品でした。
少しの閉塞感に息苦しさ、一抹の不気味さ。
どことなく『11人いる!』(萩尾望都)も彷彿としました。
厳密には10人と一体と一匹でしたが(笑)

登場人物が多くてもゴッチャにならない描写はさすがです。
それぞれのイメージが明確で、活き活きしていて。
中でも凪人と喜良が面白くって好きです。
あとキャスリン。
不気味さと可愛らしさが非常に良かったです。

空港の雰囲気がとっても真に迫って感じられました。
残念ながら渡航経験は少ないのですが、保安エリア内の非日常な緊張感、帰国時の何とも言えない安堵や疲労感は非常に共感できました。

いつも若干の不安があるオチですが(苦笑)、今回はまずまず満足でした。
ちょっと突拍子もない展開にも感じましたが、まぁとりあえずは大団円だしって事で。

それにしても『バベル』は本当に実現して頂きたい物の一つです!
言葉の壁がなければ、一体どれほど世界が広がる事か。
デンタルフロスではないですけれど、ルパン(『ルパン三世』)はよく奥歯に無線を仕込んだりしていましたが、ああいった感じでもいいなぁ。
『肩の上の秘書』(星新一)のようなのも面白くて素敵ですね。勿論、要約はしない仕様のインコに限りますが(笑)

上下巻ともあっという間に読んでしまいました。
最近、文庫化ペースが遅いような気がするので、どんどん文庫化して頂きたいです〜!
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2019年02月21日

虚飾の王妃エンマ

『虚飾の王妃エンマ』
著:榛名しおり(講談社ノベルス)

彼女は、孤独だった。親にも顧みられず、なにも与えられなかった。彼女を救い出してくれたのは、兄・リシャール。彼は、教えてくれた。人の心を読む術を、人を操る方法を。そして彼女に命じた。自分にとっての駒になれと。エンマは、兄のためイングランドに嫁ぐ。待ち受ける運命も知らず。
(Amazon内容紹介より)

さっそくこちらも読みました。
『幸福の王子エドマンド』でガッカリしたせいか、こちらは面白かったです!(笑)

『幸福の王子エドマンド』でパッとしなかったエンマですが、こちらでは何て愛らしい!
そしてやっぱりアゼルスタンはエンマに惚れてたんですね〜。
まさかエンマもとは驚きでしたが。
既に結末を知っているだけに、猟犬小屋のシーンはほのぼのと微笑ましく、そして切なくもありました。
あ、あとワインを注ぐシーンも素敵でした!
『幸福の王子エドマンド』ではアゼルスタンの豪胆さが印象に残りましたが、こちらを読むと、密かに儚い幸せがあった事が分かってまた切ない……!

リシャールはなかなかインパクトの強いキャラで面白かったです。
彼が主人公のお話を是非読んでみたいと思いました。
そうそう、“人の気持ちが分からない”と言うのは比喩なのか、それとも何らかの発達障害だったという事なのでしょうかね。

次いでデュド。
もっと掘り下げて欲しかった……!!
とても神職者とは思えない行動が多いのですが、その辺りの行動原理がサラッと説明されたきりで、何とも惜しい。

そしてやはりこの人、クヌート。
こちらではチョイ役でしたが、とっても良い役でした。

二冊読み終えて思ったのは、分冊にする必要があったのかな〜、という事でした(爆)
“対”を強調するには、確かに分冊にした方が効果的ですけれど、どちらもストーリーがやや平板で冗長に感じたので、一冊に二部構成等でまとめてしまった方がスッキリし、密度も濃くなり良かったのでは、と感じたのでした。
とは言え、充分楽しく読めました♪
読む順番は本当にどちらからでも問題ないと思いました。凄いな〜。
posted by ミクロン at 20:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月17日

幸福の王子エドマンド

『幸福の王子エドマンド』
著:榛名しおり(講談社ノベルス)

彼には、仲間がいた。誰からも愛され可愛がられた。イングランドを護る。それが彼の望みだった。だが、父王は、ノルマンディー公国から嫁いだエマに骨抜きにされ、国政は言うがまま。デンマークからはクヌート軍に攻め込まれ、いまやイングランドは風前の灯だった。だが彼はあきらめなかった。運命に反旗を翻すのだ。誰をも幸福にした王子の戦いの物語。
(Amazon内容紹介より)

やっと読めましたー!!
お正月休みの楽しみに、と、大事に置いておいたにも関わらず早2月。やっぱり積読はいかんですね。どんどん積みあがってしまう……。

同時発売の『虚飾の王妃エンマ』と対になってるとの事で、どちらから読むか悩みに悩みました。
結局、何とな〜く“幸福”より“虚飾”の方が面白そうな気がしたので、“虚飾”は後のお楽しみにしました。
さて、では感想を少し。
ちょっと酷い感想になってしまいましたので、ご注意下さいませ(>_<)

全体的に、やや物足りなかったです。
レーベルが変わったせいか、ストーリーはともかくとしても、人物描写がどうもイマイチ……。
これまでの作品では、登場人物は非常に魅力的に描かれていた事が多かっただけに、余計にそう感じたのかもしれません。
エドマンドの人を惹きつける魅力もエピソードが乏しく、あまり伝わってきませんでした。
冒頭の幼少期のエドマンドはとっても可愛らしかっただけに、余計に残念でした。
それにしても、トスティーグの「迷子だと思ったんだな?」が全く分からなかったです。
単に、実は迷子では無かったと言う意味合いなのか、他の意図があったのか、私の読解力が落ちてしまったのか……。

エディスもちょっとチグハグな印象でした。
主体性があるのか無いのか、賢いのか短絡的なのか……。
もう少し彼女の心理描写もあると、理解できたのかもしれません。
結果、個人的にあまり好きになれないタイプでした。
そのせいで余計に辛口になっている気もしています(^^;)

王妃エマもボスキャラのような存在なのに、パッとしないと言いますか。
ひたすら“美しい”としか描写されないので、どんな美しさなのかがサッパリ。
妖艶な美しさとか、清らかな美しさとか、色々とあると思うのですが……。
なのでどうも説得力に乏しく、印象に残らなかったのかな、と。
籠絡してくるエピソードもサラッとしていて、さほど害はなさそうでしたし……うーん。
でも納戸小屋のエピソードはとっても良かったです!
不気味な妖しさが存分に発揮されていて、さながら魔女のよう。
迫力もあり、お気に入りのシーンです(笑)

一方アゼルスタンは素敵でした〜!
エドマンドのアゼルスタン崇拝ぶりにバッチリ感化されてしまいました(笑)
しかしどうもアゼルスタンはエマに惚れてるような雰囲気でしたが……あ、これはもう一冊の方で分かるのかな??

あとクヌート。
彼はかなり印象的なキャラだったので、もっと掘り下げて欲しかったです。
『オファの剣』を継いだ時のエピソードとか読みたかったですねぇ。

と、酷い書きようになってしまいまして申し訳ありません。
期待が大きかった分、ガッカリも大きくなってしまったのだと思います。
決してつまらなかった訳ではありませんので、悪しからず。

気を取り直して、もう一冊の『虚飾の王妃エンマ』を読んでみたいと思います♪
posted by ミクロン at 23:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月10日

おおあたり

『おおあたり』
著:畠中恵(新潮文庫)

長崎屋にまたまた事件が。金次がもらった富札が百両以上の大当たりだったのだ!噂を聞きつけた人々が金の無心に寄ってくる一方で、当たり札が偽物ではないかという疑いも出てきて―。栄吉の新作菓子の成功が招いた騒動に、跡取りとしての仕事を覚えたい一太郎の奮闘、場久が巻き込まれた夏の怪異、そして小僧時代の仁吉と佐助の初々しいお話も堪能できる、めでたくて晴れやかな第15弾。
「BOOK」データベースより

早いもので、もう15作目なんですね。
そろそろ終わり……は、今作も見えてこない1冊でした(笑)
ではいくつかの感想を簡単に。

『おおあたり』
栄吉がなんとも憐れなお話でした。
でもあられの方は上々なので、±0かな??
長らく栄吉の餡は不味い、となっていますが、こちらにも何か原因(妖の影響とか?)があるんでしょうかね??
いずれその辺りのお話も読んでみたいです。

『はてはて』
最近なんとなく金次の出番が多い気がします。
なかなか癖が強くて面白いからでしょうか。
無意識の内に彼までもが、一軒家をとても大事に思っているのが微笑ましいです。

『暁を覚えず』
一太郎がぐっと成長したように感じる作品でした!
成長したというか、丈夫になった、と言う方が正しいかもしれませんが(笑)
こんな風に、少しずつでも出来る事が増えていくと良いなぁ、としみじみ思ったりして。
けれど、そうなるとちょっと淋しい気もするのが、なんとも複雑ではあります。

* * * * *

本当に簡単でしたが。
今巻はちょっと閑話休題な印象も受けました。
あまり一太郎が前面に出ていないからかな。
でもたまには暢気に読めるのもホッとして嬉しいです。
また次の文庫化は年末でしょうか。
もうお正月休みの読書の定番と化しつつあります(笑)
posted by ミクロン at 03:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする