2018年11月18日

青の数学

『青の数学』
著:王城夕紀(新潮文庫)

雪の日に出会った女子高生は、数学オリンピックを制した天才だった。その少女、京香凛の問いに、栢山は困惑する。「数学って、何?」――。若き数学者が集うネット上の決闘空間「E2」。全国トップ偕成高校の数学研究会「オイラー倶楽部」。ライバルと出会い、競う中で、栢山は香凛に対する答えを探す。ひたむきな想いを、身体に燻る熱を、数学へとぶつける少年少女たちを描く青春小説。
「BOOK」データベースより


『天盆』があまりに気に入ったので、作家買いしました。
でもあんまり期待しても……と、ドキドキしながら。

正直に感想を言ってしまうと、ちょっと期待しすぎておりました。
決して面白くなかった訳ではないのですが、事前の期待値が高過ぎたようです。

数学は、英語よりは辛うじてマシ。けれど化学と同じくらいに苦手、です。
面白さが分かりませんでしたし、興味も持てませんでした。
数学は美しい、と言うのだけは辛うじて分かっている……と思うのですが。
ですので、現在でも数字は滅法弱いまま。当然、暗算も苦手です……。
哀しいかな、要は馬鹿なんですよね……(T_T)

さて、そんな私でも不思議と飽く事無く読めました。
登場人物達のように、のめりこんで問題を解けたならどんなに楽しいか、読んでいて非常に羨ましくなりました。
作中に出てくる問題が、どの程度のレベルなのかさえサッパリ分かりませんでしたが、分からなくてもあまり問題は無かったようです。
でも、そういう事が多少なり分かった方が、きっともっと面白かったろうなとは思います。
ほんの少しだけ、数学の勉強をやり直してみたい衝動に駆られました。
……本当に、ほんの少し。

続きものとは思ってなかったので、次巻は手元にないのです(>_<)
近々買って来なくては……!
posted by ミクロン at 23:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月10日

闇の虹水晶

『闇の虹水晶』
著:乾石智子(創元推理文庫)

その力、使えばおのれが滅び、使わねば国が滅びよう。人の感情から石を創るたぐい稀な才をもつが故に、故国を滅ぼし家族を殺した憎い敵に仕えることになった創石師ナイトゥル。生きる気力をなくし、言われるまま創石師の仕事をしていた彼に、ある日怪我人の傷から取り出した黒い水晶が見知らぬ国の幻を見せた。“オーリエラントの魔道師”シリーズで人気の著者が描く壮大な物語。
「BOOK」データベースより


長らく積読でしたが、ようやく読了。
“創石師”はとっても面白い設定でしたし、ドリューは可愛らしくも頼もしくて素敵!
ライハイル達もカッコイイ。むしろ彼らの方が主人公向きな気も(笑)
お気に入りはやっぱりグリフォリス達!!(爆)
もう可愛くって可愛くって。
なので〈三日月〉の件では泣きそうになりました……うぅ……。

ともあれ、過不足なく面白かったです。

……ただ、少〜し物足りないと言いますか……何だかお話がパターン化してきたような印象です。
登場人物も、設定も、どれも魅力的ではあるんですが、どうもこれまでと似たり寄ったりと言いますか……。
〈オーリエラントの魔道師〉シリーズではないのですが、あまり違いも無いように感じました。
構成が似ているせいなのかな??
ほとんど必ずと言っていいくらい、主人公が突拍子も無く過去やら遠くやらへ行く、という場面転換がありますし……。

『ディアスと月の誓約』も未だに積読中なのですが……そちらはどうなのかな??
posted by ミクロン at 21:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月07日

EPITAPH東京

『EPITAPH東京』
著:恩田陸(朝日文庫)

東日本大震災を経て、東京五輪へ。少しずつ変貌していく「東京」―。その東京を舞台にした戯曲「エピタフ東京」を書きあぐねている“筆者”は、ある日、自らを吸血鬼だと名乗る謎の人物・吉屋と出会う。吉屋は、筆者に「東京の秘密を探るためのポイントは、死者です」と囁きかけるのだが……。将門の首塚、天皇陵……東京の死者の痕跡をたどる筆者の日常が描かれる「piece」。徐々に完成に向かう戯曲の内容が明かされる作中作「エピタフ東京」。吉屋の視点から語られる「drawing」。三つの物語がたどり着く、その先にあるものとは―。これは、ファンタジーか?ドキュメンタリーか?「過去」「現在」「未来」……一体、いつの物語なのか。ジャンルを越境していく、恩田ワールドの真骨頂!!
「BOOK」データベースより


単発モノで、多少の不安もありましたが……とっても面白かったですー(^v^)
フィクションのような、ノンフィクションのような。
物語のようで、エッセイのよう。
なんともジャンル分けには向かない内容です(笑)

ですが恩田氏の本領発揮の作品だと思いました。
現実からほんの少しだけはみ出たファンタジーな感じが相変わらず巧くって素敵でした。
“筆者K”の広範な興味の対象と、それに対する思考は、どちらも私とはかけ離れていてとても興味深く面白いです。
奇しくもこの作品を読む数日前に、劇団四季の『サウンド・オブ・ミュージック』を観劇したばかりだったので、作中に幾度か登場する“マイ・フェイバリット・シングス”が、脳内できちんとBGMとして再生出来たのも良かったのかもしれません(笑)

吉屋の本当か嘘か分からない、茫洋とした雰囲気が良かったです。
もう少し彼のエピソードも読みたかったな〜。

惜しむらくは“エピタフ東京”の完成版を読めなかった事。
どの構想もとっても面白そう!!
ちょっと『木曜組曲』っぽいところも非常に好み。
勿体ない気もしますが、近年どうもオチが弱く感じていましたので、こういったオチがないままの方が、良さがそのまましっかり出て良いのかも。
でもいつか読みたいなぁ。

ラストの『悪い春』は珍しく結構キツイく感じました。
恩田氏の作品では、これほど直截的で辛辣な作品は無かった気がするので、ちょっと意外で。
でも掌編ながらニヤリとさせられて、面白かったです。

『七月に流れる花』も購入済なのですが、今作を読んでちょっぴり期待値が上がりました。
楽しみ楽しみ♪
posted by ミクロン at 01:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月25日

昼も夜も彷徨え マイモニデス物語

『昼も夜も彷徨え マイモニデス物語』
著:中村小夜(中公文庫)

イスラーム教徒とキリスト教徒が抗争する十二世紀の地中海。勢力を広げるムワッヒド朝が突きつけた「改宗か死か」。神を求める人間の葛藤、迷い、失望と愛憎。マイモニデスはスペインからエジプトへと異郷を放浪しながら、言葉の力で迫害に抵抗し、人々に生きる勇気を与える。史実に基づき、中世最大のユダヤ思想家の波瀾の生涯を描く歴史物語。
「BOOK」データベースより


タイトルに惹かれて購入。
伝記と小説の間のような作品でした。
惜しむらくは表紙。
もっと荘重なデザインの方が、内容に釣り合うのではと思いました。
かなり面白かったのですが、内容が内容だけにかなり感想が書きにくいです……。
なので軽〜く。

恥ずかしながら“マイモニデス”と言う名前すら初めて知りました。
これほど現代にまで通ずる思想を残した人物なのに……。

“信仰”という部分に関して、登場人物達に感情移入できない部分が多かったです。
そもそもの前提(信仰心)が理解出来なかったせいかもしれません。
そんな中でも一番近くに感じられたのはダビデ。
なので彼の喪失は本当に悲しかったです。
後世に名を残すような人には、ダビデの様な存在が必要不可欠だと気づきました。
『知恵の館』で語られた写本の件は泣けました……。

モーセはひたすらカッコイイ。
真っ直ぐで、純粋で、賢くて、一途で。
もう完全にフィクションのような存在!(爆)
彼の言葉の多くは、生まれや言葉、そして宗教さえをも超えた、普遍性に満ちていると感じました。
もっと早くに存在を知りたかったと思いました。
ここで出会えて良かった。

気になるのは祖父アモスのその後。
無事にその後の人生を全う出来てたならいいな。

うーん、宗教や信仰に触れないで書くとこんなにも薄っぺらな感想に……!!
久しぶりにじっくり味わって読めた作品だったのに……(>_<)
posted by ミクロン at 23:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月19日

うずら大名

『うずら大名』
著:畠中恵(集英社文庫)

泣き虫でへっぴり腰の吉之助。東豊島村の豪農で名主の彼は、ある日、辻斬りに襲われたところを、一羽の鶉とその飼い主に助けられる。飼い主の名は有月。自称大名で、吉之助とはその昔、同じ道場に通った仲だった。一方、江戸では、大名に金を貸す大名貸しと呼ばれる豪農らが、次々と急死。有月が真相を探ることに……。二人と一羽の異色トリオが、幕府を陥れる謀略に挑む!新たな畠中ワールドの開幕。
「BOOK」データベースより


過不足無く面白かったです。
骨子は似たような感じなのですが、最後まで無難に楽しく読めました。

現実にどうだったのかはさておき、畠中氏の描く江戸はとっても窮屈に感じます。
登場人物も世の中に対する不平不満ばかり。
かといって何をするでもなく、諦念を抱いて枠の中で長いものに巻かれて生きていく、といったパターンがお決まりになっているような。
そろそろ愚痴っぽい作風にも辟易してきまして、現在『しゃばけ』シリーズ以外の新刊は敬遠しているところでした。
ですので『まったなし』と『若様とロマン』は未購入だったり。
『しゃばけ』シリーズは妖達の突き抜けた非常識さ(笑)でバランスが取れているので、ウンザリしたりしないのです。
今作は単発モノのようでしたので思わず買ってしまいましたが……そろそろ違ったものも書いて頂きたいなぁ、なんて。
個人的に畠中氏の作品の中では、現在のところ『百万の手』が一番好きなので、他のジャンルにも期待しております!
と、言いつつも、ついつい手にとってしまうのは、どの作品も安定していてそれなりに面白いのが原因なんですよねぇ(笑)

タイトルの割に、ウズラはあまり重要ではありませんでした。
多少は活躍しますが、どちらかと言うとマスコット的な役割の方が大きく、可愛い事は可愛いのですが、ちょっと勿体なかった気もしました。
でも、最近はどの作品もあまり印象に残らないのですが(時代設定もキャラクターも似たり寄ったりなので……)、今作はウズラのお陰で、ちょっと印象に残ったかも。
posted by ミクロン at 01:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする