2020年11月14日

無貌の神

『無貌の神』
著:恒川光太郎(角川文庫)

この世ならざる和風情緒が漂う表題作ほか、流罪人に青天狗の仮面を届けた男が耳にした後日談、死神に魅入られた少女による七十七人殺しの顛末、人語を話す囚われの獣の数奇な運命…暴力と不条理にあふれた世界に生きるやるせなさを幻想的にあぶり出す、大人のための暗黒童話全六篇!
「BOOK」データベースより

久しぶりの恒川光太郎作品です。
『金色機械』を読んだ際に、もう作家買いはしなくて良いかと、しばらく離れていたのですが、今回タイトルに惹かれて購入してみました。
思っていた以上にどの作品も面白かったです!
何作か感想を。

『無貌の神』
表題作はいつもの恒川氏らしい作品。
委細は分からないけれど、妙に説得力がある世界観。
神の屍体がとても美味しそうで……私もきっと食べてしまって、帰れなくなるタイプだろうなと思いました。

『死神と旅する少女』
お話としてはこれが一番面白かったです。
残酷さと希望がキッチリ絡んでいて、正に禍福は糾える縄の如しといったところ。
読後には時影を“死神”と称していいものか悩んでしまいました。

『カイムルとラートリー』
個人的に非常にツボに入った作品でした。
カイムルが哀れだけれど可愛くて可愛くて……!!
「オレ オマエ トモダチ」的な、片言で話す生き物が大好きでして(^^;)
ストーリーはありふれた印象ですが、カイムルとラートリー、二人に共通する聡明さと孤独と悲しみが、古典を読んでいるような美しさを感じました。

* * * * *

読後、何となく寂寥感が残るのが恒川作品の特徴だと思っていますが、今作もまた然り。この読後感がとても好きです。
やっぱり作家買いを再開しようかな。
posted by ミクロン at 20:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする