2019年01月13日

八月は冷たい城

『八月は冷たい城』
著:恩田陸(講談社タイガ)

夏流城での林間学校に参加した四人の少年を迎えたのは、首を折られた四本のひまわりだった。初めて夏流城に来た光彦は、茂みの奥に鎌を持って立つ誰かの影を目撃する。閉ざされた城の中で、互いに疑心暗鬼を募らせるような悪意を感じる事故が続く。光彦たちを連れてきた「みどりおとこ」が絡んでいるのか。四人は「夏のお城」から無事帰還できるのか。短く切ない夏が終わる。
「BOOK」データベースより


『七月に流れる花』の続編です。
今回もネタバレ全開ですので、ご注意下さいませ。

前作で蘇芳が塀の向こうの誰かと会話していたのが、そのまま放置でビックリしたのですが、こちらで補完されておりました。
気になっていた花に関しては特に言及が無かったのが残念ではありますが。

それにしても今作は泣けました。
元々親子モノに妙に弱いのですが、もう涙が止めどなく……。
親を亡くした子供、というのに弱いのかなぁ。とにかく哀れで……。

しかし。

その直後の『みどりおとこ』の出現で、涙もピタリと止まりましたよ!
すんごいインパクト。
そしてこの悲しみの余韻に浸らせない容赦のなさに、ちょっと腹が立ったりして(笑)
このシーンはホラーと言っても通用しそうで、とっても良かったです。
母親の口癖が出てくるのも非常に不気味で良かった。

『夏の人』のとんでもない設定が明らかにされて、ぶっ飛びました。
喫人行為って、子供向けにしてはどうなんだろう、とか思いつつ、もう余計に哀しさが増してしまって。
なので最後の「――いい子ねぇ、光彦は」では、同じ台詞でこうも違う印象を与えてくるか、と胸に刺さり、更に泣けました。

ストーリー自体は前作の方が面白味があったのですが、印象ではこちらの方が強く残りました。
終始胸が痛みましたが(苦笑)
夏になったらまた読み返したくなると思います。
posted by ミクロン at 21:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする