2019年01月10日

七月に流れる花

『七月に流れる花』
著:恩田陸(講談社タイガ)

六月という半端な時期に夏流に転校してきたミチル。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、全身緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。逃げ出したミチルの手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城――夏流城での林間学校への招待状が残されていた。五人の少女との古城での共同生活。少女たちはなぜ城に招かれたのか?長く奇妙な夏が始まった。
「BOOK」データベースより


The 恩田陸、な本書。
夏特有の、陰影の濃い鮮やかさが詰まった作品でした。
日常と地続きの所に謎が詰まっている感じが大好きで、途中まではとっても面白かったです。
ですが、正直オチがちょっと残念でした……。
ネタバレ全開ですのでご容赦下さい。

オチまでは充分面白かったので、全体的には満足です。
蘇芳が本当に素敵でした。
亜季代の件は泣きそうになりましたし、ストーリー自体は物悲しいけれどとても好きです。

元々は子供向けのレーベルからの発売でしたので、あまり深く突っ込むのも違うかなと思うのですが、どうしてもモヤモヤしたので、ここからちょっとだけ……。

前半のちょっと不思議な雰囲気から、ハッキリとした現実オチになってしまうのも恩田作品の定番ではありますが、それにしてはかなり舞台設定が弱い気がしました。
親の臨終を待つ、という設定自体がちょっと突っ込みたくって。
長期休暇以外の時期でも林間学校に召集されるのかな、と。
夏と冬の休みの時は問題ないでしょうけれど、それ以外の、とりたてて休みの無い時期だったらどうするんだろう、と気になって気になって(爆)
しかも、ほとんどの子供達は事情を理解しているようなので、最期の対面も(一方通行なのは仕方ないにせよ)わざわざお地蔵様なぞにしなくても、と思ったり。
うんと小さな子供とかで(ミチルのように)理由も知らされず来る事があるのかな。
そうでもなければお地蔵様を設置する意味も無いのでは……うーん。

花を流す、というのも、とても情緒的で素敵なのですけれど、結局舞台のためだけの装飾に過ぎなかったようなのが勿体なくって。
『八月は冷たい城』の方で理由が説明されているのかな??

と、アレコレ述べましたが、結構印象に残り気に入っています。
色々残った謎は『八月は冷たい城』の方で解決される事を願っております!
posted by ミクロン at 01:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする