2018年01月26日

永遠の森 博物館惑星

『永遠の森 博物館惑星』
著:菅 浩江(ハヤカワ文庫JA)

地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館“アフロディーテ”。そこには全世界のありとあらゆる芸術品が収められ、データベース・コンピュータに直接接続した学芸員たちが、分析鑑定を通して美の追究に勤しんでいた。総合管轄部署の田代孝弘は、日々搬入されるいわく付きの物品に対処するなかで、芸術にこめられた人びとの想いに触れていく……。優しさと切なさの名手が描く、美をめぐる9つの物語。日本推理作家協会賞受賞作。
「BOOK」データベースより


タイトルと設定に惹かれて購入。
初めての作家さんでした。

全体的に惜しかったです。
雰囲気は綺麗ですが、焦点が絞りきれず全体像がぼやけてしまったような。
惑星1つが丸々博物館だなんて、一体どんな素敵な美術品やら絵画やらが出てくるんだろうとワクワクしていたのですが……そういった方面はあまりなく。
主に学芸員と、彼らに接続されたシステムのお話でした。あと博物館と美術品の管理システムかな。

主人公の愚痴が非常に多いのが疲れました。
上司の愚痴を零すわりに、その上司についてのエピソードも説得力に乏しいものばかりなので、ただ過剰な愚痴を聞かされ続けるのにはなんとも辟易しました。
全体的なオチへの伏線でもあったのですが(伏線と呼ぶにはやや物足りなくもありますが)奥さんへの態度も非常に不快で疲れたのでした……。

ただ、とっても共感出来た部分もありました。
素直に感動する事の素晴らしさ。
おそらくこの作品の主題だったのかな、と思います。
何より手放したくない感性ですが、歳とともに鈍磨していくのを痛感している今日この頃です。
単純に“綺麗だな”・“面白いな”とは思うものの、直後には“どうしてそう思ったのか”とアレコレ原因を考えてしまいます。
『○○が△△だから面白かったんだな〜』というような……。
しかし……凡人の私でさえ随分前から危機感を抱いていたというのに、これほど優秀とされている主人公が、今の今までそんな単純な事に気付かないっていうのも何だかなぁ、と思ったり。

設定はとっても魅力的でしたが、色々と活かしきれていないように感じました。惜しい……。
でも懲りずに別の作品も少し読んでみたくなりました。
posted by ミクロン at 01:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする