2019年03月02日

消滅 VANISHING POINT

消滅 VANISHING POINT(上・下)
著:恩田陸(幻冬舎文庫)

【上巻】
超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。時間だけが経過し焦燥する彼ら。大規模な通信障害で機器は使用不能。その中の一人の女が「当局はこの中にテロ首謀者がいると見ている。それを皆さんに見つけ出していただきたい」と言った。女は高性能AIを持つヒューマノイドだった。10人は恐怖に戦きながら推理を開始する。

【下巻】
北米からの帰国者に感染力の高い新型肺炎の疑いが生じる。連行は細菌兵器ゆえの隔離、ヒューマノイド対応だったのか。テロ集団はなぜ「破壊」でなく「消滅」という用語を使うのか。様々な憶測が渦巻くが依然、首謀者が誰か掴めない。やがて孤絶した空港に近づく高潮の危険。隔離された10人の忍耐と疲労が限界を超え「消滅」が近づいた時、爆発音が!
「BOOK」データベースより

いやはや、満足です。
これぞ恩田作品、な作品でした。
少しの閉塞感に息苦しさ、一抹の不気味さ。
どことなく『11人いる!』(萩尾望都)も彷彿としました。
厳密には10人と一体と一匹でしたが(笑)

登場人物が多くてもゴッチャにならない描写はさすがです。
それぞれのイメージが明確で、活き活きしていて。
中でも凪人と喜良が面白くって好きです。
あとキャスリン。
不気味さと可愛らしさが非常に良かったです。

空港の雰囲気がとっても真に迫って感じられました。
残念ながら渡航経験は少ないのですが、保安エリア内の非日常な緊張感、帰国時の何とも言えない安堵や疲労感は非常に共感できました。

いつも若干の不安があるオチですが(苦笑)、今回はまずまず満足でした。
ちょっと突拍子もない展開にも感じましたが、まぁとりあえずは大団円だしって事で。

それにしても『バベル』は本当に実現して頂きたい物の一つです!
言葉の壁がなければ、一体どれほど世界が広がる事か。
デンタルフロスではないですけれど、ルパン(『ルパン三世』)はよく奥歯に無線を仕込んだりしていましたが、ああいった感じでもいいなぁ。
『肩の上の秘書』(星新一)のようなのも面白くて素敵ですね。勿論、要約はしない仕様のインコに限りますが(笑)

上下巻ともあっという間に読んでしまいました。
最近、文庫化ペースが遅いような気がするので、どんどん文庫化して頂きたいです〜!
posted by ミクロン at 21:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする