2020年10月25日

イノセント・デイズ

『イノセント・デイズ』
著:早見和真(新潮文庫)

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。日本推理作家協会賞受賞。
「BOOK」データベースより

初めての作家さんの作品です。
店頭でポップに惹かれて購入しました。

読み手によって大きく感想が分かれる作品のように感じます。
一息に飽くことなく読めましたが、残念ながら感情移入は出来ませんでした。
面白かったんですけれど、あまり印象には残らないと言いますか。
恐らく、登場人物の誰か一人にでも感情移入出来たなら、もう少し違った印象を受ける作品なのだと思います。

登場人物一人一人のエピソードが濃いのは良いのですが、どのエピソードもステレオタイプの不幸話に感じてしまって……。
これでもか、と典型的な不幸をてんこ盛りにしなくとも、どれか一つで良いので、説得力のある強いエピソードが欲しかったな、と思います。
安易な不幸設定を盛り過ぎたために、作者の表現したかった事も、熱も、すべてがぼんやりと薄まってしまった印象を受けました。
ちょっと惜しい作品でした。
posted by ミクロン at 02:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月17日

劇場版 鬼滅の刃 無限列車編

入場者特典欲しさに、公開初日に行ってまいりました!

実は原作は那田蜘蛛山編が終わった辺りまでしか読んでいません……(・・;)
丁度キリが良かった事もあって、完全に『約束のネバーランド』に集中してしまって。
アニメの方はちゃんと見てたんですが、アニメも本当に素晴らしかったですねぇ……(*^-^*)

さて、今回の劇場版。
物凄かったです。
面白かった、より先に、凄かったと思いました。
テンポも良い、絵も良い、ストーリーは勿論良い。
とにかくずっと面白くって、上映中、ずっと全集中して観ていられました(笑)
全く退屈を感じなかったです。
劇場版にありがちな、過剰な泣かせ演出も無かったため、白ける事も無くて本当に良かったです。

炭治郎の夢はかなりウルっときました……危なかった。
それにしても煉獄さん……(T-T)
とっても素敵だったのに……!!

久しぶりに、The 少年漫画、な作品で、子供の頃の純粋さをちょっと思い出させられます。
やっぱり原作をちゃんと集めようと思いました。
……まだ約ネバの最終巻も読めてないのですけど……(*_*)
そちらを読んだら必ず!!

もう胸が一杯で大満足の作品でした。
もう一度観に行きたいなぁ。
posted by ミクロン at 10:00 | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月30日

ワトソン・ザ・リッパー〜さる名探偵助手の誰にも話せない過去〜

『ワトソン・ザ・リッパー〜さる名探偵助手の誰にも話せない過去〜』
著:SOW(LINE文庫エッジ)

十九世紀、「世界の半分を所有した」大英帝国の首都・ロンドン。カトリックの若き神父、ジェイムス・H・オーランドは、ロンドンを賑わす殺人鬼『切り裂きジャック』に狙われる少女・マーガレットの警護にあたる。簡単な任務と思われたが、突如現れた異能の悪魔、そして謎の機械・蒸気甲冑までもがオーランドに襲いかかり、事態は予測不可能な展開へ……?霧と蒸気、悪魔と探偵が闊歩する街ロンドンを舞台に、新たな物語が今、幕を開ける!
「BOOK」データベースより

タイトルから、ワトソンが切り裂きジャック、又はワトソンが切り裂きジャックと対決する感じなのかなと、ろくろく紹介文を読みもせず購入。
結果、(あくまで個人的に合わなかったという意味で)ハズレを引いてしまいました……。
私の苦手なタイプの“ザ・ライトノベル”な作品でした。
大変申し訳ありませんが、かなり酷い感想になってしまったので、この作品や作者様がお好きな方はどうぞご注意下さいませ……。

ホームズシリーズが好きで、パロディやパスティーシュもぽつぽつ読んできましたが、今作はかなり中途半端な内容でした。
いかにもラノベな全能感あふれる悪魔のお陰でミステリとしては成り立たず、かといってファンタジーやスチームパンクに分類するには説得力が乏しく。
そもそもホームズに絡める必要があったのかな、との印象も拭えません。
テンポは良いですが、その分メリハリがなく平坦でした。
ストーリー以外の部分で気になってしまう設定が非常に多く、世界観の甘さが目に付きました。

どうしても気になったのは、イギリスの国教がプロテスタントという設定。
ヴィクトリア朝の頃も国教はイングランド国教会だったと思うのですが……。
あえてそう設定していたのか、単なる誤用なのかが分からず、結構ストーリーにも関わって来る設定だったので終始モヤモヤでした……。
非常に大雑把に括ればプロテスタントに分類されるのかもしれませんけれど、元々の経緯を考えるとあまり一括りにしないような。
学校の世界史でもイングランド国教会と習った記憶がありますが……かなり昔の事なので、今ではまた違っているのでしょうか。

もう一つ気になったのは、人名です。
アンリ・モモ。
欧州圏で「アンリ」が女性名である事はまず有り得ないのではないかと……。
特にイギリスだったら「アンリ」の読みは「ヘンリー」になってしまうはずです。
ファミリーネームなら女性でもいらっしゃるのでしょうけれど。日本では何故か「アンリ」は女性名なので、混同されたのかな。
実は男だった、ってパターンなのかと思って読んでいたのですが、普通に女性でした……。
あと、アニー・マーガレットも。
ファーストネームで「マーガレット」はポピュラーですが、ファミリーネームでは……。

作品の内容とはあまり関係ありませんが、言葉の使い方もちょっと引っかかるものが多かったです。
特に「お昼間」。
これは初めて目にした表現で、咄嗟に読み方が分かりませんでした(^^;)
ネットで検索してみると、どうやら関西方面の方言なんですね。口語でも使用されているとの事で、今回初めて知りました。

ひたすら重箱の隅をつつくような感想で、心底申し訳ありません……。
posted by ミクロン at 23:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月22日

もうひとつの空の飛び方 『枕草子』から『ナルニア国』まで

『もうひとつの空の飛び方 『枕草子』から『ナルニア国』まで』
著:荻原規子(角川文庫)

「RDGシリーズ」で人気の著者が、自身の“ファンタジーのDNA”を育んだ名作を紹介。『赤毛のアン』の日常と『枕草子』の宮廷生活の描き方に共通するものとは。古代中国を思わせる小野不由美の「十二国記」に西洋の児童文学を想起するのはなぜか。実は青春恋愛譚として読める佐藤さとるの『だれも知らない小さな国』。デビュー作『空色勾玉』のエピソードなど、読書の幸福が溢れるブックガイドとしても読める名エッセイ集。
「BOOK」データベースより

奇しくも、恩田陸『土曜日は灰色の馬』の後に読みました。
『土曜日は灰色の馬』が作品の紹介と感想だったのに対して、こちらは解説の色が濃いエッセイでした。

『枕草子』は古典の授業でわずかに触れた程度なので、いつかちゃんと読んでみたいな、と思っていましたが、今回ますますその思いが強くなりました。
しかし、同様にいつか必ずと思っている『源氏物語』は与謝野晶子版を購入したところで満足してしまって、もうかなりの年月、積読と化しております……。果たして本当に読める日が来るのか……(・・;)
『妖女サイベルの呼び声』も面白そうだしな〜。
当分、次に読む作品には困らなさそうです。
posted by ミクロン at 01:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月14日

土曜日は灰色の馬

『土曜日は灰色の馬』
著:恩田陸(ちくま文庫)

恩田陸が眺める世界。小説、漫画、映画に音楽、舞台まで…少女時代からありとあらゆるエンターテインメントを堪能し、物語を愛し続ける作家の眼にはどんな世界が映っているのか?その耳では、どんな響きを感じているのか?どんな言葉で語るのか?軽やかな筆致で想像力の海原を縦横無尽に楽しみ尽くす、とびきり贅沢なエッセイ集。
「BOOK」データベースより

もうメチャクチャ面白かったです(*^-^*)
最初、病院の待ち時間に読み始めたのですが、あまりに面白いので大事に少しずつ読みました。
ブラッドベリの『塵よりよみがえり』も、これに解説が載っていたから存在を知ることができました。

もう出てくる作品全てがとても魅力的に思えてしまって、読みたい本リストが一気に膨れ上がりました。
特に惹かれたのはジャック・フィニイ。
多分、何かのアンソロに収録されていた『台詞指導』しか読んでいないので、もうメチャクチャ読みたくなりました。
が、早速調べたところ、ほとんどが絶版なのには愕然……。こんなにも有名な作家なのに……!!
是非とも再版して頂きたいものです……(T-T)

あと三島由紀夫。
読まず嫌い(!)の作家の一人で、教科書に載ってた作品以外は読んだ事がありませんでした。
でも『春の雪』はとっても読んでみたくなりました!
こちらは現在に至るまで出版されているので非常に入手容易で有難い限り。

些末な事ですけれど、“「マイ・フェイバリット・シングス」は映画『メリー・ポピンズ』の中の一曲”、と書かれていましたが、正しくは『サウンド・オブ・ミュージック』なのではと……。『EPITAPH東京』では正しく書かれていたので、どうしたのかな(^^;)

小説に限らず漫画も映画も音楽も、どれもとっても面白く魅力的に書かれていて、視野の広さと懐の深さが凄いですし羨ましい限り。そして何よりも、それぞれの作品に対する愛が端々に感じらました。それにつられて私もムクムクと読書欲が湧いてきたので、まずは三島由紀夫から読んでみようと思っています♪
posted by ミクロン at 21:00 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする